碧の日々徒然

碧の日々のことを徒然と

映画22本目『ドールハウス』2025年公開作品

さて、前回泥人形からの人形続きで、今回は日本人形にいってみましょう。

娘・芽衣を亡くし、悲しみに暮れる鈴木佳恵と忠彦。ある日佳恵は骨董市で芽衣に似た人形を見つけ購入し、わが子のように慈しみ始める。悲しみが癒やされ夫婦の間に待望の娘・真衣が生まれると、二人は人形のことを気に掛けなくなってしまう。やがて5歳になった真衣がその人形と遊ぶようになると、一家の周囲で奇妙な出来事が続発するようになる。佳恵は人形を手放そうとするが、人形は捨てるたびに手元に戻ってくるのだった。

『ウォーターボーイズ』などの矢口史靖が原案・脚本・監督を務めたホラーミステリー。主人公を長澤まさみ、彼女の夫を瀬戸康史が演じ、田中哲司と風吹ジュン、などの安田顕らが共演する。


さてあんまりアラスジ追いすぎるとそっちに意識が行きすぎる自分に気がついたのでアラスジは程程(それが出来るのか?!自分!!)に、感想とネタバレしたいかと思います。

未観賞の方はGO!Back!でお願いいたします。それでも良いよ~という猛者はどうぞお進みください。





さて初っ端。他の家の子供数人と一緒に家に預かってる状況になんでワザワザ買い物?しかも自転車とはいえかなり遠くまで。3分コンビニ範疇でないのが、まず私の最初の(え~?)。ジュースないから、お茶ねーは無理なのか?子供がいたら大体何かしらはありそうだが。そしてこんな風に子供さんを預かるのは突然の事なのか?すみません、子供のいない自分には想像も出来なくて。


(うーむ。私らが子供の頃は他所さん家にいってジュースをだして貰うなんて無かったからなー(笑)もしくはジジババ家は箱買いの缶ジュースを温いまま勝手に飲めだった←田舎定番)


それにしても風呂場の水は抜いてあり、包丁は手の届かない棚へしまい、ガスの元栓まで締める用意周到ぶり。なんでドラム式洗濯機……それには触るな入るなと教えなかったのか?あの横タイプはチャイルドロックついてなかったっけ?古いからついてないってオチなのか?何にせよ、自宅かくれんぼでそこに入ろうとするものなのか?子供の頃冷蔵庫には隠れるなと口を酸っぱくして教えられたもんだが……

というか家の中でかくれんぼしていて、一人が見つからない。じゃ皆帰ろーっていう他の子供達にも(え~?)自分のお家に隠れてるから、まいっか?って。お母さんいないからお母さんのところ行ったって??


ご、5歳児の思考わからん。本当にそう考えるの?


ついでに母よ!外を探す前に靴!靴!!子供の靴がそのままなのに何故に何も気がつかないのだ?!というか気づいた夫も何故そこに何も感じないの?他の靴はいてたのかしらとか、みないの?慌ててるから?


因みに私は6歳頃の話だが、押入れの天井から屋根裏に登って数時間行方不明になったそうだ。だが靴でバレたんだと。後で凄い説教されたのはここだけの話。


しかし遺体を見つけた時の佳恵の絶叫。これには逆に私がビックリ。遺体が画面にでなかったから分からないが周囲の家の人が飛び出してくるほどの絶叫は一生でそう聞けるものではないと思う。どんな顔して亡くなっていたのであろうか……


と開始5分程度を既に長々とブチブチしてみたが、そこからは心神耗弱に陥った佳恵は集団セラピーもうまく行かず、偶々(そうとも見えないんだよねここのシーン、おたきあげのチラシを使ってあえて連れていかれたような。)骨董市で娘と良く似た日本人形を見つけ購入。


しかし日本人形、見た目はとても立派。骨董市で簡単に売ってよさそうな品にはぜんっぜん見えないんだけれど、外箱がね?もう絶対的に危険物の様相なんだよね。アナベル人形の特別封印箱並みでさ。


自宅に帰った夫が娘の座っていた場所に座っている人形をみてギョッとするのが良く分かる。髪を切って洋服に着替えさせたら、一見すると一瞬死んだ娘に見えなくもない。

ただこの人形のお陰で佳恵はドールセラピー効果で回復していく。まぁ5歳児サイズの人形をベビーカーに乗せて歩くのは、さすがになぁと思うけれど心が癒えるならやむを得まい……の世界だ。それにしてもだ、ここまでどれくらいの期間なのかは不明だが、夫としての行動が何一つ見えてこない。看護師の仕事は忙しいだろうが、心理セラピーを後ろからみていて泣き出したら駆け寄るとか、人形をつれて歩く時の他者への行動とかさ……なんか……凄く……言って良い?


偽善的って言うか、外面だけ取り繕ってるように見えるんだよねっ!


やがて夫婦には2人目の娘が産まれ、娘が産まれたことで佳恵はドールセラピー卒業。人形は再び怪しい箱に仕舞われ、押入れの奥へ。思うにここで人形を手放していたら物語は、親子仲良く暮らしましためでたしめでたしで終了だったと思いませんかね?



5歳になった真衣が人形を引っ張り出して『アヤちゃん』と呼び始め遊び始めたことで、悪夢のような日々が始まる。この話がここから怖いのは、5歳になった真衣と、5歳程の見た目の人形を交差させて描いているところだ。


人形と思って攻撃すると実は娘だったり、娘と思って寄り添うと人形だったり、何時来るか分からない子供が危険にさらされる緊張感には中々に不快感が強い。


前半佳恵が人形と格闘する展開、後半は忠彦が様々な人を頼って人形をなんとかしようとする展開になっていく。

忠彦は先ほども言ったが実のところ娘が死んだわりには、夫としての姿が良く分からない。つまりは余り佳恵と向かい合っていないということなんじゃないだろうか?それに忠彦は医療従事者だからか、大部分を専門家に頼りがちなのだ。

これがヤバい人形だと気づいた時佳恵は人形をゴミに出したり直接収集車に持って行ったりと、自分でなんとかしようと努力する。それに対して忠彦は人形じゃなく佳恵がおかしい・虐待しているかもと決めつけ、佳恵をアッサリ入院させてしまったのだ。(ま医療従事者だからこそとはいえなくもない行動だとは思うが。)

それに結果、お焚き上げ供養すると称して人形を骨董品屋に売ろうとした悪徳坊主の寺嶋(この後の結果は因果応報・自業自得ね)や、人形に人間の骨が入っていることが分かった後科捜研に持っていこうとした超常現象を信じない刑事山本(これはねー、ほぼ貰い事故だよね(笑)骨入り人形って聞いて動いただけだもんね?あ、でもながら運転は自業自得か?)、佳恵が入院後に真衣の面倒を見ていた祖母の敏子らが次々と人形の餌食になる中で、最終的に忠彦は呪禁師の神田を頼ることになる。現代科学や医学に頼れなくなった途端、今度はスピリチュアルに頼る夫。


因みに呪禁師とは呪術で邪気を祓う者のことで、歴史上実在した職業だそう。それを知ったら浮かぶのは当然某漫画で、あー人形は『特級呪物』なんやな(笑)

誰か青い瞳のお兄さん紹介して!神田さん特級には対応できそうに見えんもん!


神田は人形師安本浩吉を調べていた池谷を訪ねる。かつて警察だった池谷は、安本の妻・妙子が体の弱かった娘・礼と無理心中を図った事、人形師の浩吉がそれを隠蔽するために礼の骨を使って娘人形を作った事、浩吉の自首を受けて妙子の墓を掘り返したが礼の人形は既になくなっていた事を明かす。恐らく副葬品としては高級であったのと、安本の人形が売れると誰かが掘り返し盗んだのではないかという。

そうして礼=アヤ人形を妙子の墓に返すために、新潟県蔵川郡の神無島を目指すのだった。



1日のうち引き潮の2時間しか道が現れない神無島。神無島の近くに宿をとった3人は、その晩にアヤに襲われてしまう。灯りの火が消えカメラのフラッシュだけで瞬間的にアヤの姿が捉えられる場面は、作品中でも屈指の恐怖シーンだ。

なんとかアヤを抑え込むが神田は足を負傷(やっぱりなー、特級呪物は無理だよ(笑))。佳恵と忠彦は二人で神無島へ向かう。アヤを妙子の墓に入れることに成功するが、佳恵はまたもアヤと揉み合うことに。佳恵は引っ張られていた髪をなんとかガラスで切り離してことなきを得る。2人は家へ戻り佳恵は真衣と再会を果たすが、それは真衣ではなくアヤだった。忠彦は真衣を洗濯機から助け出したと思ったが、それは死んだ芽衣で芽衣はアヤを連れて去って行った。この一連の出来事はアヤが見せた幻覚で、二人はまだ神無島にいたのである。(ちなみに幻覚の中で家に帰ってきた佳恵の髪の毛は不揃いに切れた状態だったが、芽衣登場後の佳恵の髪は元に戻っている。つまり引っ張られる髪をガラスで切ったのも幻覚であり、お札が燃えて効力を失った辺りから既に幻覚なのだろう。)



ところが、話はまだ終わりではなかった。呪禁師の神田はカメラに録画されていた真衣がアヤと話をしていた映像から、実はアヤが母・妙子から虐待を受けていたのを察し、敏子と共に鈴木家を目指していた。

アヤは高値がつく安本浩吉人形だから妙子の墓から盗掘されたと予想していたが、アヤは墓の中で妙子と一緒にいるのを嫌がり自分で墓を出たのだろう。娘は母と一緒にいたいものという佳恵の強い思い込み、そして母娘関係に関心がなかった夫達・浩吉と忠彦が生んだ最悪の結果と言える。

神田達と入れ違いでエレベーターを降りた佳恵と忠彦は、敏子の車の中にいた娘・真衣の呼びかけに全く反応することなくベビーカーを押して去っていく。そのベビーカーの上に乗っていたのは真衣ではなくアヤだった、というバッドエンドで幕を閉じる。


さて感想と言うか考察と言うか。

大体にして神無島への展開の前後、真衣を敏子に預けた後真衣を迎えに行くなどのシーンがない。夫婦が大事にしている娘の元に帰るシーンどころか帰宅の話もない。けっして芽衣がアヤを連れていってくれたから万事オッケーではないのだ。

真衣はアヤと話をすることができていた。そしてアヤは真衣にお母さんを交換しようと持ちかけていた。下手を打てば真衣が妙子の墓に入っていたかもしれないが、それは芽衣によって防がれたのだろう。それがあの幻覚の結論なのだ。


真衣が死ぬことはなかったが、結果的に佳恵と忠彦はアヤのものになってしまった。いわば、序盤の2人に戻ったともいえなくはない。そもそもアヤは真衣が生まれるまでは大人しくしており、むしろ佳恵にとっては心の支えとなる存在だった。

だが、真衣が生まれて佳恵と忠彦がアヤを無下に扱うようになったから、アヤのアピールが始まった。それらは普通の人間からしたら怖くはあるが、それでも真衣はアヤを『友達』と認識しており、それなりにうまくやっていた。アヤは嫉妬したり引っ掻いたりすることはあるが、最初からは自分から致命的な不幸を招くような存在ではなかったのだ。佳恵と忠彦がそれまでと変わらずアヤにも愛情を注ぎ続けていれば、4人で幸せに暮らすことができたのかもしれない。

ここまではある意味で最終的に幸せになるようにと無理矢理に考えてみた話。だが、この考察には幾つか引っ掛かりが残るのである。


結論としての『ドールハウス』はアヤのための家になってしまった鈴木家をいっているのだと思う。


ただ芽衣が死んだ後のあのチラシに誘われた姿を思うと、アヤがずっと自分が欲しい母親・父親探しをしていたのかもと思えなくもない。そして同じ年頃の娘と語る内容。5歳児同士の他愛のないないように見えて本質はわりと邪悪だと思う。お母さん取り替えようってなぁ……そういうとアヤは最初から佳恵狙いでやって来たのかもしれないとも思えてしまう。そうなると、芽衣の死すら想定の中にあった?と問いかけたくなるのが、ホラー好きの性……なんだろうね




とは言え全体的には楽しめる映画ではある。ぜひお部屋に人形があるところでご覧いただいて……我が部屋には残念ながらそのような趣のあるものはないのであるが、楽しんでいただきたいものです。

では、薄暮の時間の近づく辺り、皆様お気をつけて帰宅のとにお着きください

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