映画42本目 『変な家』2024年公開作品
真昼にこんにちは、碧です。現在のお外は薄曇りの向こうに青空が見えています。とは言え日々天災のようなニュースを目に、被害が大きくならないことを祈るばかりです。
さて相変わらずのホラーの宴。先日ホラーの定義でヒトコワでもオッケーなんやなという話でオチをつけましたので、早速ヒトコワホラーでいってみましょう。今回は久々に日本作品です。

じろーさーん!栗原さん役超良かったでーす!!特にあのパフェに一生懸命な姿(爆)
等と勝手な前フリから始めてしまいましたが、
『雨男』の名で活動するオカルト専門の動画クリエイター・雨宮は、ある家の間取りについてマネージャーから相談される。雨宮がミステリー好きな設計士・栗原に意見を聞いてみると、その家は至る所に奇妙な違和感があるという。そんな時、ある死体遺棄事件が世間をにぎわせるが、その現場はあの家の近所だった。事件と家の関連を疑った雨宮が一連の疑惑を動画にして投稿すると、宮江柚希と名乗る人物から、その家に心当たりがあるという連絡を受ける。
動画投稿サイトで話題を呼んだ雨穴の書籍を映画化。監督を石川淳一、脚本を丑尾健太郎が担当。動画クリエイターを間宮祥太朗、彼と共に謎に迫る設計士佐藤二朗、物語の鍵を握る人物を川栄李奈が演じる。
さてここからは何時もの如く、ネタバレ・感想になります。未観賞の方はご注意ください。
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因みに『変な家』には
・オモコロに掲載された記事版
・記事の動画版
・ウェブ記事に加筆される形で出版された書籍版
・書籍版を原作とするコミカライズ版
の4つが現在あり、今回の映画は書籍版を原作としつつ再構成された、映画版『変な家』。映画冒頭でも流れているので第5章とするか、別物ととるかは人それぞれだと。因みに碧は書籍とコミカライズは読了。動画もわりと雨穴さんのものは制覇している。
基本会話と間取り図をメインで進む書籍版がどのように映画化出来るものなのか疑問がありつつの、初回観賞は映画館です。
原作と比較するとホラー感が増し、また一部の設定や登場人物がカットされるなど、1本の映画・エンターテイメントとして見やすいものに落ち着いたのかな?というのが大きな感想です。
大きな物語の軸は原作(書籍版)に添いつつも、主な違いとしては、
・主人公・雨宮の職業ははウェブライターではなく『雨男』という名前で活動するオカルト系YouTuber
・間取りの相談をする柳岡は、原作では著者の知人だが映画では雨宮のマネージャー
・柚希の従兄弟である洋一の死にまつわるエピソードは丸々カット
・「左手供養」が始まるきっかけとなった女性・潮は原作では女中から片淵家当主の本妻になった女性であるのに対し、映画では当主に気に入られた女中という設定。当主の子供を妊娠したことで正妻から恨みを買ったことが全て始まりになっている。
・原作では明治〜大正期の片淵家の複雑なお家騒動が展開されるが、映画ではほぼカットされ『左手供養』に片淵家が囚われるまでの過程がシンプルに変更。
・原作では『蘭鏡』という呪術師が『左手供養』を片淵家に伝授。この『蘭鏡』はお家騒動の過程で片淵家に意図的に送り込まれた存在だった模様。映画ではお家騒動が大幅に変更されたため、蘭鏡は登場せず単に『霊媒師に相談したら左手供養を伝授された』ことになった。
・原作では柚希の姉・綾乃の夫慶太が全てを終わらせるため片淵家の人間を殺害し自首。映画では片淵家の屋敷が燃えたあと慶太は行方不明になっている。
ということを踏まえて。
冒頭、オカルト系配信を行う『雨男』=雨宮。マネージャー柳岡からはネタがマンネリ化していると苦言を呈されつつ、柳岡が購入する家についての話に。立地もいいのに柳岡の妻が乗り気でないのは、一階のキッチン横にある意味の分からないデッドスペースらしい。柳岡から知人の建築士に聞いてみて欲しいと願われ、雨宮は建築士・栗原に連絡を取る。
『私だったら買いません。』
後日顔を会わせた栗原はそう断言。ここのイチゴパフェの無惨なこと(爆笑)
間取り図には一階のデッドスペースだけでなくおかしな部分が他にもあるという。雨宮は言われて始めて気がつく奇妙な間取り図。
いや、これさ?正直書籍の時も思ったけど、本気でこんな家建てるのかねと思ってた!
だって吹き抜け云々とか動線とか、昨今のお家ってそんなの当然みたいにあるもので。二階の間取りの珍妙さに、その真ん中の部屋って暗室?等と元写真部員だった碧は思ったものですよ?
そこはさておきそこから始まる奇妙な家の配信。もしかして殺人鬼のための家?様々な想像を掻き立てる配信に柳岡はご満悦。
しかし、それをみて連絡をしてきた宮江柚希という人物登場。もしかして自分の夫が殺されたのかもしれないと言う。細かいことはさておき、雨宮と柚希は件の物件に侵入……はい?
鍵はどこからきた?っていうか、家具そのままなのは少し驚くが、もっと驚いたのはフローリングの床!内見には絶対向かない異常事態があったとしか思えないんですが!しかも間取り図に子供部屋書かれてましたよね?
虐待案件?!瑕疵物件なの?!ですよね?!絶対そうですよね?!←って絶対思う
正直なところ雨宮の行動力に一寸驚く。しかも、そのタイミングで宮江柚希という人間は存在しない連絡。タイミング良すぎる、栗原さん。しかも、その時の柚希の無表情な上のあの体勢。ある意味貞子ばりだった。
結局、実は宮江ではなく、あの奇妙な家に住んでいた片渕彩乃の妹・片渕柚希であることが分かる。そして柚希は雨宮と栗原と共に母・喜江に話を聞きに行くのだが、喜江はすげなく片渕家に関わるなと撥ね付ける。謎は深まるばかりで、雨宮と柚希は本家片渕家に向かうことに。
そして栗原は突然取って返したように喜江宅に突撃。押し入れの下段に作られた祭壇を発見する。
そこから物語は片渕家本家に纏わる忌まわしい儀式について語られることになる。
ここからは文字説明難しいですよね。本家にもあった謎のデッドスペースからの祭壇までの道のりとか、本家だけでなく周辺住民(血縁者ということのようで)まで襲いかかってくるという、まさにヒトコワホラー。
でも、ここら辺が実は賛否両論で。ただの狂信者集団かよっ!ってなったんですよねー
その後は突然雨宮が左手供養の供物にされそうになったり、狂信者集団との追いかけっこになるわ、清次(高島)は殺人狂だし……何がどうなってどこから逃げるとあの道に出るんだかよく分からなかった上に、タイミング良すぎる喜江到着。むむむむ……
一先ず片淵家まわりの人間関係は書籍やコミカライズより遥かにシンプルで。
それでもなお『名家が血に塗れた因習に囚われ続ける』描写は、どこか金田一耕助の獄門島や犬神家を思わせる部分もなきにしもあらず。
狂信者達の群れは映像ならではの表現かな、ホラー要素としては閉鎖的な寒村に染み付いた暗さも除けるような気がする。とは言えちょいと狂信者達の服や様子が昭和の寒村過ぎた感は拭えない。何しろお面が既に古めかしい訳で。
また柚希と綾乃の母である喜江が影で動いていたことを思わせるラストの後味の悪さも原作からキチンと引き継がれている。左手供養の祭壇には既に2人分の左手があったのだから、少なくとも宮江以外に左手を取られた存在がいることになる。
そこら辺は濁されて終わるのだけど、彩乃と喜江の2人が左手供養の呪縛から何にも解かれていないのが分かるのが後味の悪さだ。

穏やかな顔で見守ってるけど……根本的な解決は結果されてないんだよ?雨宮&栗原よ。
まぁそこが『変な家』の映画化としても原作ファンとしても満足できる点なのかもしれない。
因みに映画版の主人公・雨宮はあくまで『原作者をベースにした映画オリジナルキャラクター』なため、等身大の人間らしさが強調されていたと思う。
ただそんなことを言われると雨穴さんの仮面の下が何とも気になる訳なのである……
と、言うわけでお化け的な怖さではないが、あの古めかしいお面人間の群れは怖いし、オババはチェンソーを振り回し、オジジはさっきまで仲間だった人間の左腕を切り落とすし、結局本家が燃えても左手供養を続けようとしているし、様々な怖さが絶妙にあと引く映画です。
でも、原作を知らなくても、まず楽しめる作品かと。あ、壁の向こうからなにか音がしたら、設計図を確認したほうがいいですよ?
なんてことを言いつつ、これにて(笑)では、また。